多読村がNPOになります! 非常に長いです。

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多読村がNPOになります! 非常に長いです。

投稿記事by さかい@tadoku.org » 2012年1月29日(日) 11:28

多読村の活動を特定非営利活動法人(NPO)にします!

2012年1月29日                  さかい@tadoku.org

多読を教室で実験し始めてから約30年、
インターネットを通じて世の中に提案してからほぼ10年経ちました。
その間に多読はだれの予想もはるかに越えて広がりました。
みなさんが多読を多聴へ、多話へ、多書へと広げていく様子をつぶさに見て、わたしは

  多読には、読むことだけ、あるいは英語だけではなく、
  もっともっと大きく広い未来がある


と考えるようになりました。

その大きく広い未来のために、みなさんが互いに手を貸し合う場として、
特定非営利活動法人「(仮称)tadokuの会」を作ることにしました。
世界の人が多読の考え方を使って互いの言葉を獲得できるようになることを目指します。

その目標に向かって、1年ほど前から準備を進めてきましたが、いよいよNPO化の申請ができる段階にさしかかっています。申請が認可されて申請NPOとして発足するまで半年弱かかりますが、ここでみなさんに広くお知らせして、多読村がNPOとして新しい旅立ちをする様子を見守っていただきたいと考えました。今後NPO化への進み具合を報告していきます。

なお、NPO化に際して、5年前から活動している非営利特定活動法人「日本語多読研究会」と合流します。「日本語多読研究会」の活動目的は多読村と同じく「多読の理念に基づいた日本語獲得を研究し、普及すること」です。

この目的のために、日本語多読研究会は10年前から日本語GR(Graded Readers)を制作し始めました。これまでに自費出版も含め、100冊近いGR(検索キーワード:「レベル別日本語多読ライブラリー」)を出版しています。また、日本語多読普及のための講演会や、日本語多読読み物作成のワークショップを定期的に開催してきました。

さかい@tadoku.orgは設立当初から日本語多読研究会に深く関わって、
英語多読の考え方が日本語獲得にも利用できることを確かめてきました。
また、多読村に海外からも日本語獲得中の人が加わるようになったことを受けて、日本語多読研究会は定款を変更して、多言語多読活動のできるNPO法人に発展します。


日本語多読研究会との合流へ向けて特定非営利活動法人「(仮称)tadokuの会」の活動を定める定款(準備中)の中で一番大事な部分、「(目的)第3条」「(事業の種類)第5条」を説明します。

*(目的)第3条  この法人は、国内外を問わず、言語獲得をしようとしている人やそれを支援する人、教育機関、団体等に対して、多読あるいは多読を中心とする言語獲得法を広め、世界の人が互いの言語を獲得することで、国際交流・国際理解を推進し、もって豊かな多文化共生社会の創造に寄与することを目的とする。

*(事業の種類)第5条 この法人は、第3条の目的を達成するため、特定非営利活動に係る事業として、次の事業を行う。
(1)多読および多読を中心とする言語獲得支援素材の発掘・開発及び出版事業
(2)多読および多読を中心とする言語獲得の支援者養成事業
(3)多読および多読を中心とする言語獲得の実践及び研究事業
(4)多読および多読を中心とする言語獲得の普及啓発事業
(5)その他目的を達成するために必要な事業

この第5条の5種類の事業を

   「多読の考え方をさらに研究・開発する事業」
と、
   「研究成果を世の中に還元・普及する事業」

の2つに分けて具体的に説明します。

【1】多読の考え方をさらに研究・開発する事業

「多読」を広め始めてから10年ですが、いまだに毎週のようにわたしを驚かせる事例が報告されます。多読は方法としても、またその効果も、すっかり解明されてはいません。そこで引き続き、みなさんと一緒に多読、多聴、シャドーイング、多話、多書の実践を積み重ね、観察や体験報告を通じて冷静かつ客観的に実例を積み重ねていきます。研究するのはさかい@tadoku.orgだけではありません。みなさんの「実践+体験報告」と「意見交換」は研究そのものです

【2】研究の成果を世の中に還元・普及する事業

ささやかな第一歩・・・

*まだはじめていない人に向けて:多読講演・講座

多読を知らない人に紹介する個人向け、団体向けの講演や短期の講座です。多読・多聴・シャドーイング・多話について説明したり、体験してもらいます。

*はじめた人に向けて:ブッククラブ

常設のいわば「多読図書室」です。多読素材を参照できるだけではありません。一人一人に合わせた細やかな多読支援をします。将来は全国各地にブッククラブができて、読書や朗読やDVDの楽しみをはじめとして、さまざまなことを日本語や英語やそのほかの外国語で語り合える場にしたいと考えています。また、多読素材の回覧サービスも検討しています。

ここまでがささやかな第一歩です。ここから先はこれからやりたいことです。

*図書館活動

全国の図書館に多読素材を備えるように働きかけ、定期的に図書館で多読相談会を開くことを目指します。原型は愛知県にありますが、東京都世田谷区や新宿区でも続こうとしています。
多読相談会が開かれない地域では豊田高専が開発中の「tadoku_navi」を利用して、多読仲間同士が支援できるようにしていきます。

*学校活動

小中高校や大学に多読を採り入れてもらうために普及活動を推し進めます。全国の多読授業に近くの多読仲間が協力できる態勢ができるといいと考えています。

そのために多読村フォーラムに多読支援をする人たちのフォーラムを作り、そこで多読支援研究、多読支援の具体的な相談などの場にする予定です。

*出版

多読・多聴・シャドーイング・多話・多書を世の中に知らせることは依然として大切な事業なので、さらにさまざまな本の出版を考えています。
その中の大事な柱である日本語GRの出版についてははじめに書きました。
今後も多言語多読の紹介本や素材の出版をめざします。

さらに多読素材データベースなどの制作や多読的翻訳(日英・英日/日伊・伊日など)も出版することを目指しています。

*東京から全国各地へ

 NPOは基本的に地域に根ざした団体ですが、すこしずつ日本各地に拠点ができたり、兄弟姉妹NPOが設立できるように、さまざまな援助を考えています。

*ユネスコ憲章( http://www.unesco.or.jp/ )への働きかけ

日本からさらに広がって、いつの日かユネスコ憲章に新しい一章が加わり、憲章加盟国がその地域の言語す
べてについて多読多聴素材を制作し安価に提供することを義務づけることを目標にします。

*ウェブサイト

上記の事業すべての中心にあるのがウェブサイト(現在の「多読村」)で、新NPOの活動に関する情報はすべてウェブサイトで見られるようにします。

・(「さかい研究室」と「多読村wiki」を中心に)
 多読・多聴・シャドーイング・多話・多書についての手引き
・(フォーラムで)Skypeおしゃべり会・英語tweetなどのお知らせ・報告
・(フォーラムとwikiで)tadoku_naviの開発支援、図書館・書店情報
・(フォーラムで)体験報告、オフ会などの活動報告、新しい活動の提案
・(フォーラムで)tadokuで言語を獲得する世界中の人々の交流・情報交換

最後に、いちばん大切なこと・・・ 

新しいNPOに参加するわたしたちは、
一人一人がジグソー・パズルの小さな一かけらなのだろうと思います。

小さなかけら同士がそれぞれに得意分野で手を貸し合い、欠けたところを補い合って、地域を包み、日本を覆い、世界に多読の絵模様を広げる――それを目指して・・・

             はじめはささやかに、

そして

      できる人が、できる時に、できる分だけ!

以上です。読んでくださって、ありがとうございました!

なお、このあと、「みなさんに手を貸してほしいこと」と「活動資金をどうするか?」という文書を投稿する予定です。
また、次の投稿で新生NPOの名前をみなさんにつけていただく募集をします!

どうぞ、よろしくこの旅立ちを見守っていただけますよう・・・! :rainbow:

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登録日時: 2010年12月13日(月) 23:19
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