Hola todos,
Hoy lluvia también.
ええと、実は恥ずかしながら、イスパニカ・日本とスペイン語圏との架け橋、本橋祈さんからの依頼を受け、駄文を執筆しました。
リレーエッセイなるものであります。読んでみてもいいよという方、ご一読くださいまし。
日本語訳はつけたくなかったのですが、イスパニカの要望でつけていただきました。本橋さんが訳してくださったものです。
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▽▲リレーエッセイ「忘れられないスペイン語」第38回▲▽
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イスパニカにかかわる人たちによるリレーエッセイ「忘れられないスペイン語」。第38回は、スペイン語多読の会(https://twitter.com/esp_tadoku)を主催されている川本かず子さんです。
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◆tanto
スペイン語を勉強したことはないが、2年前から「スペイン語多読の会」を主催している。理事をしているNPO多言語多読のファンドレイジング企画として2年前に立ち上げた。「多読」という学習方法は、母語を身につけたように、外国語をたくさん聞いてたくさん読んでたくさん観るというもの。すんなりわかるものから始める。赤ちゃん絵本、幼児絵本がぴったりだ。
ある日、YouTubeで絵本“Tic Tac”(Jorge Lujan y
Isol、Comunicarte社)のすばらしい動画を見つけた。男の子とお母さんの掛け合いが美しい歌になっている。
♪¿Cuánto me quieres mamita?♪(ママ、ぼくのことどれくらい好き?)
♪Tanto como ... ♪(どれくらいかっていうとね…)
と繰り返され、
♪Tanto como los siglos de mi reloj♪(私の時計が刻むくらいの長い間よ)
♪¿Justo así?♪(このくらい?)
♪Sí, justo como los tic-taques de mi corazón♪(そう、私の胸の鼓動が続く限りよ)
で終わる。心がほっこりし、胸がキュンとし、ちょっと目頭があつくなる。
うっとりと聞いているうちに、もう半世紀ほど前に初めてスペインを訪れた時の思い出が蘇ってきた。“tanto”という言葉によって。実にくだらないことなのだけれど。
若かった私たちは、バルでの食事中、スペインの黒目勝ちの男たちにきゃあきゃあ言っていた。なかでもかわいいウェイターが私にウインクする。気づくと、私のお皿だけ、ほかの人の二倍ほどの料理が盛られている。どうだ、こんなにいっぱいだぞという満足気な顔つきで彼が言ったのが、「ほにゃらら
tanto ほにゃらら」!!! tantoだけが耳に残っている。tantoの音と、彼のチャーミングな目と、大量の料理が今でも目に浮かぶ。
“Tic Tac”とはあまりにかけ離れた思い出で、作者にも読んでくださっているみなさまにも、なんともはや申し訳ないのだけれど、若き日の思い出でした。
〇川本かず子
NPO多言語多読理事、スペイン語多読の会主催。2002年より、日本語学習者のためのやさしい読みものの開発、出版をしている。
2017年10月現在のNPO多言語多読監修の出版物
☆レベル別日本語多読ライブラリー「にほんご よむよむ文庫」12巻 78作品(アスク出版)
☆「にほんご多読ブックス」8巻 45作品(大修館書店)
☆「にほんご多読ブックス」(NPO多言語多読)9作品
☆「すらすら読める日本語多読アプリ」(White Rabbit Press)
http://tadoku.org/