多読+α Did you talk to anyone?

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Re: 多読+α Did you talk to anyone?

投稿記事by イワノフ » 2015年5月27日(水) 16:36

この三日ほどの多読です。


ナルニア第2話:The lion, the witch and the wardrobe

半分ほど読み終わりました。サトクリフなど次のレベルのものを読みこなすのに有用な表現が、もっと分かりやすい形で、たくさん出てきます。非常に良い感じです。

そうか、だから一歩一歩レベルの順番通りに…と思う方もいるかもしれませんが、実は、よくわからないレベルの世界で聞きかじったという経験があることで、分かる世界で出会ったときに、よりクリアにああそうか!と思える、ということもあります。そして、よし!とばかりに言語習得の(脳内?)エンジンがどんどんかかって、前に進んでいく感覚が起きてきます。

もう慣れっこになってしまって気がつかなくなっていますが、実は、第一言語の日本語でも、実はけっこう分からない(聞き取れない、を含めて)・分かっていない状態で、平気で言葉というものを、私たちは使っていると思います。普通の人間の言語使用というのは、かなりアバウトなものだと思います。いわんや外国語をや。わけわからないexposure(=とてもわからないレベルや内容の本)もたまには入れて、より現実的な外国語ライフを演出して楽しみましょう!


Dragon's Merry Christmas (Captain Underpantsの作者Dav PilkeyのScholastic本です)

Scholasticと言えば、文科省お墨付き的出版社です。そういう路線でまとめた「正しい」ストーリー(笑)になっています。けれど、ちょっとunderpant的変なところもあります。

次に紹介するReady to Readなどもそうですが、この本のように「会話文」の入っていない形式のもの=地の文のみで書かれているものは、子供たちに「書き言葉の表現」を教えるものです。しかしこれは、日本人学習者にとっては、ちょっと危ない。高校レベルで、ばっちり覚えた(ような記憶がある)「構文」が、ばしばし並んでいます。無意識のうちにも和訳してしまう…。高校で英語が4、5だったような人ならば、本当に簡単に和訳できてしまう…。和訳しているという意識すらないかもしれません。


Henry and Mudge and the Forever Sea (Ready-to-Read: Level 2)

上述同様の危険がありますが、このような形式のお話は、ひとつひとつの名詞や動詞そのものの意味・使われ方に意識をもっていくとよいかもしれません。会話の文は、excellent. Cynthia Rylantですから、あたりまえですね。 海についたHenryは、なんと言うか。車の中で、さんざん海、海、海、海と言っていてとうとう、ついたぞ!英語は、"I see it!"です。


Ready, Set, Go! (An I Can Read Book: Level 1)
とても面白かったです。「多読」という意味でも、このように会話文を中心にストーリーが展開するものは非常に有効だと思います。


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Re: 多読+α Did you talk to anyone?

投稿記事by イワノフ » 2015年5月30日(土) 10:28

5月29日の多読です。

Bugs, Beetles, and Butterflies (Puffin science easy-to-read: Level 1)
Puffin Easy-to-Readシリーズのscience編です。虫の名前とか、虫の動作を英語でどう言うかなんて、知ってたってしようがないじゃないーという考え方もあるでしょう。でも、こういうことも知っていると、なにかが違うのです。世界が広がる実感がある、というのでしょうか、月並みな表現ですが。


Red Fox and His Canoe (I can read book: level 1)
前にもありましたが、精神分析ができそうなストーリー展開だな、と思いました。前に紹介したScholastic社のIf youシリーズで、ネイティブアメリカンの生活文化について読んでいたので、このストーリーの状況設定がパッと理解できました。こういうこともストーリーをわかりやすく、従って入りやすくすると思います。いろいろなものを読んで、つなげて、さらに理解が深まるというわけです。That's tadoku!


There's a Boy in the Girls' Bathroom (Louis Sacher: Holesの作者です)
一気に読んでしまいました。80年代後半のアメリカ。私の育った時代とはかなり違いますが、とは言っても私が学校の教員として現役ばりばりに(笑)仕事をしていた時代ではあるので、ある意味とてもよく理解できますー主な登場人物のひとりである若き!カウンセラーの先生とほぼ同世代です。最新ではないのかもしれませんが、現代のアメリカで育つ子供たちの現実に即して、彼らを勇気づけるお話だと思います。日本の大人である私も、認識をあらたにしたこともあり、勇気をもらいました。


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Re: 多読+α Did you talk to anyone?

投稿記事by イワノフ » 2015年6月02日(火) 13:20

昨日と本日の多読報告です。


Fancy Nance: The dazzling book report

Fancy Nancyは、ここ数年で出版されている新しいシリーズです。新しいということにも意味があります。魚でも野菜でも…、本でも、なにかが違うのです。美味しく感じる、というのでしょうか。この本では、難しい単語=fancy wordsを、ストーリー展開のなかでさりげなく説明してくれているところが、ナルニアやサトクリフで「語彙」にマニアックぎみ?になっている私には魅力でした。


The Chronicles of Narnia

The Lion...は読み終わり、The Horse and His Boyに入りました。単語の意味調べはもとより(30年来使っているCollin's Pocket Dictionaryーもちろん紙の!ーでは出ていない単語もかなりあって、ある意味ショックです。ネットはカバーできる語数が桁違いなんですね。)、ナルニア辞典Encyclopedea of Narniaなるものを含め、武具や馬具、建造物、動植物などの現物画像、映画化されているストーリーについては特定シーンの映像など、ネットを片手に読んでいます。

しかし、C S Lewis、語彙がすごい(しゃれではありません)です。言語学の世界では、言葉の本質は語彙だ、という議論があって、最近はかなり勢いを得ているらしいのですが、Enid BrytonやC S Lewisを読んでいると、確かに個々の単語に感動します。(言語学で言っていることとは論点がずれますが。)


今週と来週の日曜日10:30〜12:30、東中野の事務所で、指導者を対象にした講座を開講します。小・中・高・大・社会人ー教えていらっしゃる対象年齢は関係ありませんので、関心のある方はどうぞご参加ください。多読の基本的な考え方およびそれに基づいたレッスン展開について、皆さんと検討したいと思います。お申し込みはホームページのトップページ「最新情報」の一覧をクリックし、5月5日付の記事をご覧ください。


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Re: 多読+α Did you talk to anyone?

投稿記事by さかい@tadoku.org » 2015年6月02日(火) 13:39

いつも楽しい報告をありがとうございます。

「言語学の世界では、言葉の本質は語彙だ、という議論があって、最近はかなり勢いを得ているらしい」

というと「ころに感想を述べますね。

「ことばの本質は???だ」 という命題の ??? 部分を何にするかは
いろいろな議論がありえると思います。

たとえば大きく 物語だ という意見もありえるでしょう。
またせめて段落になっていなければ意思疎通はありえない、とか、
一文でことばの役割は果たせる、とか・・・

一方で小さい方では 「ことばの本質は単語だ」とか、
「リズムでしょ!」とか、「声調で伝わるよ」とか、
単語を分解して 意義素 というものを最小単位にしようという人もいます。
(この小さい方は 物質を 分子、原子、素粒子、超弦 などに細かくしていく
素粒子物理を思い出します。そのこころは・・・ きりがない!)

そこで、質問です。
「語彙だ」という意見は word ではなく、vocabulary なのでしょうか?
イワノフさんのお分かりの範囲で結構です。教えてください。

言語学者ではなく、一般の人の間では 単語 がことばの最小単位と考えられていると思います。
最小単位という表現自体、わたしの造語で、定義ができていません。
最小単位 が ことばの本質 と同じかどうか、議論の余地がありますけど、
わたし自身は「ことばの本質は文だ」という意見に傾いております。

くわしいことは長くなるので、やめておきます。
上の質問 語彙 は word なのだろうか? vocabulary なのだろうか、という点だけ、
お返事をいただければ満足です。

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Re: 多読+α Did you talk to anyone?

投稿記事by イワノフ » 2015年6月03日(水) 14:29

さかいせんせい、responseありがとうございます。

vocabularyとしてlearn/acquireされたwordの累積ということかなと理解してます。

Vocabulary = A language user’s knowledge of words, which includes, in addition to the traditional sense of the word's meanings (as well as its derivatives, conjugations, etc.), the word's collocations, such as 'make + my bed' or 'make + coffee', and also its use in various other multi-word units, such as binomials (black and white), similes (as blind as a bat), discourse markers (on the other hand), and formulaic expressions (Nice to see you) to name a few.

Michael Lewisという研究者は、ことばというものは lexicalized grammarではなくgrammaticalized lexis と捉えるべきだ、というようなことを言っています。(Richards & Rogers 2014, Approaches and methods in language learning 3rd edition, CUP, p. 217).

I. S. P. Nationのような著名な研究者も、関連する近著を出しているようです。

(Nationは語彙研究では第一人者ですが、語の意味には、collocationや歴史的背景を含め、確か6段階くらいの「深さ」があるというようなことを提示していること、また第二言語として使うには深度6までのknowledgeなどなくても十分である、母語話者でも語を深く知っている人ばかりではない、というようなことくらいは、どこかしらで学びました。)

昨年、大学院の授業で20−30分程度でざっくりカバーしたことで、aboutですが、以上です。


多読についてのポストはまた後ほど。

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Re: 多読+α Did you talk to anyone?

投稿記事by イワノフ » 2015年6月03日(水) 21:30

本日6/3の多読です。

The Horse and His Boy (ナルニア物語の第3話)

この話は昔読んだんだったかどうだったか…。ナルニア物語は全編読んだと思ったのですが。全然記憶にありません(このギャグわからない人の方が今は多いでしょうねー笑)。少々オールドファッションな英語を楽しんでいます。

でもこういう英語、うっかり使うとまずいかも。ことばは生ものなんですね。実際に使うのは、今のことばじゃないと。終戦直後くらいに書かれた小説の会話文とか読んで、やっぱりちょっと、そっくりそのままでは今日使えませんよね。たとえば、「あの家はね、百姓なんです。」(梅崎春生著「桜島」より)今時、百姓とか百姓家とか、言わないですよね。農家または農家さんですね。家という言い方も、最近はあまりしないかもしれませんね。家族、かな。


旬の本がいい、という側面もある、ということとちょっと関連して、ブリティッシュ・スクールの司書の方とおつきあいがあるのですが、politically correctということが、今は非常に大変なようです。Enid Brytonなどはアウト!のようで、学校の図書室などには、絶対に置けない本となっているようです。私にとって、イギリスで過ごした子供時代の大切な友だちだったNoddyも、Golliwog同様、抹消されてしまっているらしい。なんとも…。生き残っているのは、Thomas the Tank Engineですか。でも、GolliwogやNoddyには機関車トーマスにはない、かけがいのない何かがあったのです。Politically (very) problematicなのは分かりますが。


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Re: 多読+α Did you talk to anyone?

投稿記事by イワノフ » 2015年6月04日(木) 22:09

wordとvocabularyの項で書いたNationの近著ですが、Cambridge University Press (CUP)のLearning Vocabulary in Another Languageのことでした。2001年発行です。

私が大学院で勉強した部分は、1989年に出版されたW J M LeveltのSpeaking: From intention to articulationに提示されているLevelt's model of speech productionに基づいて、発話などことばをproduceするプロセスは、"lexically driven"であることーすなわち文法、語形等は発話者の脳内で選択されたword(s)によって決定されること。それ故、"it is the choice of particular words that determines the grammar and phonology of sentences, and so grammar and other aspects are important components of what it means to know a word and this knowledge must be closely related to each particular word. This underlines the importance of meeting words in use as a way of developing vocabulary knowledge. It also shows how the decontextualized learning of vocabulary is not sufficient...for 'knowing a word'." としるされています。(Nation 2001, p.37)

よく生徒も言います。「単語でしょ、単語。やっぱ単語。これがまず出てこないと、そして出てきた単語が使えないと、書けない・話せない。長文でも、単語(品詞や語形変化を含めて)がわからないとわからない。でも単語って覚えられないんだよねーmore or less decontexulized learning of vocabularyをしているので、たいていの学校式の単語学習は、本当にlearn/knowできない。(覚えていてもー本当にはlearn/knowしていないのでー実際長文を読んだり英作文をするときには使えない、という表現をする生徒もいます。)」学者でない普通の学習者の言い方で表現すれば、こういうことなのではないでしょうか。


サトクリフのThe Eagle of the Ninth少しすらすら読めるようになってきました。内容は少年少女向けではありますが、十分楽しめますし、文章の英語は肥沃(変な日本語?)です。


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Re: 多読+α Did you talk to anyone?

投稿記事by イワノフ » 2015年6月05日(金) 21:40

本日の多読です。

Knuffle Bunny (Mo Willemsです)
ニューヨークはブルックリンの街を実写した背景に、Mo Willemsのアニメ調の登場人物たちが描き込まれています。おもしろいです。go bonelessってわかりますか?小さい子供がだだをこねて、歩かすにも抱き上げるにも、ぐにゃぐにゃ状態になることありますよね。あれです。なるほど、の表現でした。子供のbawlingしている絵も良かったです。

The Lump of Coal (Lemony Snicketです)
絵が気に入って手に取りました。ストーリーも、良かったです。本を読むことの醍醐味を感じさせるものがあります!

Owl Moon (by Jane Yolen, illustrated by John Schoenherr)
1988年度Caldecott Medal受賞の絵本です。それにふさわしい本です。Youtubeにread aloudがいくつもあります。トップに出てくるwww.youtube.com/watch?v=HN8W05hBbSMのものが良いようです。

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Re: 多読+α Did you talk to anyone?

投稿記事by イワノフ » 2015年6月07日(日) 22:05

6月6日、7日の多読です。


The horse and his boy (ナルニア物語の第三話)
読み終わりました。名作はやっぱりすごいです。ナルニア物語は、作者C S Lewisが友だちの女の子に宛てて書き始めたそうですが、書き上げるのになかなか時間がかかってしまって、次のようなコメントを残しています。「この本が世に出る頃には、君はもうファンタジーを読むような年齢を越えてしまっているだろうけれど、人生でもう一度ファンタジーを読む年齢に君がなるまでには絶対に間に合うから、楽しみにしていてください。」この女の子よりも少し後に生まれた私は、ファンタジーを楽しみに読む年齢だったときにも、人生で再びファンタジーを楽しめる年齢になったときにも、このような作品を読めたということに、信じられないような幸運な巡り合わせ(直訳的日本語で失礼)を感じます。


映画でTADOKU
本日、酒井先生の「映画でTADOKU」に行ってきました。My Fair Ladyという時代劇…もといヴィンテージものの映画を、多読ならぬ多観するセミナーでした。所用があって中座したため、1時間半ほどの時間でしたが、帰宅して、やっぱり観たくなりました、何か英語の映像を!さっそくFamous Fiveのシリーズを20分ほど視聴しましたが、なぜか?!この間観たときよりも、よく見えて聞こえて、ストーリーにもより深く入れました。スキーなども、インストラクターにちょっと教えてもらうとけっこうできるようになりますよね。あれと似たようなことなのか、コツを教わったような気がします。あとは、自分でどんどんやってみること、ですね。楽しみが増えました。

By the way本題とは関係ありませんが、ロンドン育ちの私には、My Fair Ladyの英語は懐かしい響きでしたー映画だから少しゆっくりペースでわかりやすいように誇張していたようでしたが。


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Re: 多読+α Did you talk to anyone?

投稿記事by イワノフ » 2015年6月10日(水) 23:01

本日6月10日の多読です。

ナルニア物語第4話 Prince Caspian
酒井先生の「映画でTADOKU」に刺激を受けて、YouTubeで映像を観たり、audible.comのトライアルをちょこっとplayしたりして、できるだけ五感をすべてオープンにして「多読」読書に入りました。すると、あら不思議、より早くよりスムーズにより深く入り込んで、どこかに書いてありましたが「英語が消えて」どんどん読めます。

The Van Gogh Cafe (Cynthia Rylantです)
エッセイです。多読本としては珍しいジャンルです。なかなか良いです。子供向けに書かれた本ですが、大人でも十分楽しると思います。黄色ラベルです。

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登録日時: 2015年2月23日(月) 17:20

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